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いろいろな浮ひょう Various kinds of Hydrometers

浮ひょうは、ボーメ計、比重計とも呼ばれ液体の密度、比重、濃度などを測定します。 目盛の表し方で、密度浮ひょう、比重浮ひょう、酒精度浮ひょう、日本酒度浮ひょうなどいろいろな浮ひょうがあります。測る液も石油製品、化学製品、お酒、清涼飲料など多数あります。液体の品質管理をする一つの方法として使われます。

特長

原理

液体中に浮ひょうを浮かべ平衡したとき、けい部に働く液の表面張力と空気中に出ているけい部の空気による浮力を無視すれば、浮ひょうの質量と液中にある部分の浮ひょうの体積の質量は等しくなります。このときの密度等をけい部に目盛する事により密度等を測ることが出来ます。

構造

浮ひょうは浮力を持つ胴部と目盛紙のあるけい部からなる簡単な構造です。胴部は鉛玉などで重さの調整、けい部は目盛紙を挿入してあります。では、この目盛部分の間隔、目盛範囲はどのようになっているのでしょうか。

これは、胴部の体積と、目盛範囲の体積の比で決まります。つまり胴部体積(V)が一定ならば目盛範囲の体積(v)は一定になります。従って、けい部(v)の径の大小により目盛範囲の長さ(度間と称しています)が変化します。体積が一定ですから、けい部の径が太くなれば度間は短く、径が細くなれば度間は長くなります。

つまり、一定体積(V)の胴部につなげるけい部の直径を太くすれば、広い目盛範囲の浮ひょうを、細いけい部にすれば短い範囲の浮ひょうが作れます。このことは、目量を基に考えると目盛範囲の広い浮ひょうは目量が大きく、狭い目盛範囲の浮ひょうは目量が小さくなります。

下の表から、上の理由がよくわかるかと思います。実際には胴部とけい部を同じ割合で全体を太く、または細くすることが出来ます。

大型19本組 No.6 大型7本組 N0.3
目盛範囲 1.000 〜 1.060 1.000 〜 1.200
度間(mm) 130 150
目量 0.001 0.002
目盛線(本) 60 100
けい部の全長(mm) 180 190
胴部の全長(mm) 120 110
けい部の直径(mm) 5 6
胴部の直径(mm) 21 16

以上まとめますと、目量を小さく精度を良くするには胴部を太く、けい部を細く、目盛範囲を小さくします。反対に目盛範囲を大きくするにはけい部を太く、胴部を細く、目量を大きくすることで出来ます。

目盛

密度
単位体積あたりの質量です。kg/m³が浮ひょうの基本的な目盛です。国内ではg/cm³が多く使われています。目盛決めの温度,すなわち標準温度は15°C、または20°Cです

比重
物質の質量と、同体積の純粋の水の質量との比です。これは物質の密度と、水の密度の比ともいえます。一般的に15/4°Cと標準温度が決められていますが、これは分子の温度は測定温度、分母の4°Cは標準とした水の温度を表しています。ほかに、20/20°C、15/15°Cなどの標準温度があります。これも同じように分子は測定温度で、分母は標準とした水の温度です。 以下の計量単位は比重から計算式で求められます。

重ボーメ度(水より重い液体の目盛)
Bh=144.3-(144.3/S)
Bh:重ボーメ度
S:比重(15/4°C)

軽ボーメ度(水より軽い液体の目盛)
Bl=(144.3/S)-134.3
Bl:軽ボーメ度
S:比重(15/4°C)

日本酒度(日本酒の甘口辛口の目盛)
Jw=(1443/S)-1443
Jw:日本酒度
S:比重(15/4°C)

API度(石油類測定の目盛)
API=(141.5/S)-131.5
API:エーピーアイ度
S:比重(15.56/15.56°C)

トワッデル度(染料の測定に使われた目盛)
Tw=200(S-1)
Tw:トワッデル度
S:比重(15/4°C)

牛乳度(牛乳用の目盛)
M=100(S-1)
M:牛乳度
S:比重(15/4°C)

そのほかに特定の濃度を表す目盛として、

しょ糖度
しょ糖の濃度を質量百分率で表します。しょ糖度と比重のテーブルがあります。標準温度は20°Cですが、17.5°C、22.5°Cなどもあります。ブリックス計、サッカロメーター等とも呼ばれます。

酒精度
エチルアルコールと水の体積百分率を酒精度で表します。酒精度と比重のテーブル*があります。標準温度は15°Cです。酒類の管理に用います。

以上が浮ひょうの主な目盛です。基本的には密度との関係がわかればどのような目盛も出来ることになります。

使用方法

試料をシリンダーに採り浮ひょうを浮かべ、以下のようにして示度を読みます。

  1. 浮ひょう、シリンダーはきれいに洗浄します。
  2. シリンダー中の試料は十分撹拌し温度を一様にします。
  3. 浮ひょうの先端をつまみ試料に浮かべます。
  4. 静止した後2、3目盛沈めてから静かに手を離します。
  5. 浮ひょうが静止した後、その示度を1目盛の1/2もしくは1/5まで読みとります。
  6. この測定を2、3回繰り返し、その平均値を採ります。

温度補正

浮ひょうを標準温度以外で測定したとき、その温度における液体の密度(比重)を求めるには温度補正をします。
d+Δd=d+dα(t0-t)
d:測定密度
Δd:測定温度での補正量
α:ガラスの体膨張係数
t0:標準温度(°C)
t:測定温度(°C)

器差と補正値

浮ひょうを補正する値で、数値は同じですが符号が反対になります。以下のような補正により真実の量を求めます。
真実の量=表す量−器差 or真実の量=表す量+補正値

検査、検定など

計量法に基づく基準器検査、検定あるいはメーカーの社内検査があります。

視定

示度の表記は、メニスカス(液と浮ひょうの水際で盛り上がったところ)で読むものを上縁視定、液面の水平なところから視た目盛りを読むものを水平面視定(水平面示度)として、それぞれの視定で測定します。

その他

石油類の測定、アルコールの測定には換算表があります。標準温度以外で測定したときに、標準温度における数値を求めることが出来ます。

一般的な浮ひょうは大気圧の下で使用しますが、高圧下で使用する浮ひょうもあります。その多くはLPガス用密度計(浮ひょうです)。耐圧シリンダー(耐圧用の密閉型のシリンダー)にこの浮ひょう入れ、そこへ液化石油ガスを採集します。その試料は液体であるため、浮ひょうが浮かびます。このような浮ひょうは耐圧型浮ひょう呼ばれ、LPガス以外にもいくつかあります。

以上、浮ひょうの性能、取り扱いを書いてみました。浮ひょうを用い密度を測ることで体積から質量(重量)を、質量(重量)から体積を知ることが出来ます。あるいは濃度を測るという品質を管理することもできます。

このように浮ひょうは簡単な計量器ですが、液体管理には欠かせない計量器といえます。これを機会に浮ひょうについて多少とも関心を持ちご利用をいただければ幸いです。おわりに、ご質問などありましたら、ご遠慮なくおたずねください。お待ちしております。

*注)1972年OIML(国際法定計量機関)で新しいアルコールのテーブルがでています。これは質量百分率と密度の関係を、体積百分率と密度の関係を勧告しています。OIMLの体積百分率は酒精度と多少異なります。

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