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比重計解説 Introduction to hydrometers

ここでは比重計の一般的な理解について解説していきます。

計量原理

比重計の原理は密度浮(ふ)ひょうと同じで、目盛は比重になります。

比重計には目盛に応じて比重浮ひょう、重ボーメ度浮ひょう、日本酒度浮ひょうがあります。それぞれ比重目盛、重ボーメ度目盛、日本酒度目盛です。これらは特定計量器として計量法検定の対象になります。 これ以外にも、軽ボーメ度浮ひょう、エイ・ピー・アイ度浮ひょう、トワッデル度浮ひょう、牛乳度浮ひょうと呼ばれる比重計があります。

構造の概要
比重計も密度浮ひょうと同じで。浮力を保つ胴部と目盛部のあるけい部からなります。材質はガラスでその膨張係数は規程があります。胴部は下端になまり玉などを入れ重さの調整をし、綿、ワックスなどで固定しています。けい部は密度目盛の目盛紙を挿入しています。

比重目盛
比重とは液体の質量と、それと同体積の圧力101325Paのもとにおける4°Cの純粋の水の質量との比をいい無名数であらわします。 比重t/t0°Cは、t°Cの液体の質量と、それと同体積の圧力101325Paのもとにおけるt0°Cの純粋の水との比をいい、無名数であらわします。

比重浮ひょうにt/t0°Cと表記されているとき分子のt°Cは浮ひょうの標準温度、分母のt0°Cは基準とした水の温度をいいます。 例えば比重浮ひょうに多い15/4°Cと表記があれば、分子の15°Cは浮ひょうの標準温度、分母の4°Cは4°Cの水の密度を比重1と定めたことになります。 20/20°Cであれば、分子の20°Cは標準温度、分子の20°Cは20°Cの水の密度を比重1としたことになります。比重t/t0°Cを比重t/4°Cに換算する ときは、比重t/t0°Cにt0°Cの水の比重t0/4を乗じて求めます。

重ボーメ度目盛
水より重い液体に使用し、比重との関係は次式からなります。
s = 144.3/(144.3-Bh)
s:比重
Bh:重ボーメ度

日本酒度目盛
日本酒の甘辛の計量に使います。+側は辛さ、−側は甘さをあらわします。 比重との関係は次式からなります。
s = 1443/(1443-日本酒度)
s:比重

使い方

密度浮ひょうの使い方と同じです。

試料等をシリンダーに採取し、比重計を試料中に浮かべ、静止した後2、3目盛沈め平衡した時点で示度を読みます。この時シリンダーの汚れや、比重計の汚れはきれいに洗浄してから試料中に浮かべます。またシリンダーに採取した試料の温度差を避けるため浮かべる前に試料の攪拌をします。

標準温度
比重目盛の箇所をご覧下さい。
次式は比重計を標準温度以外で測定したときの比重計自身の温度補正量です。
Δs=0.000025s(t0-t)
Δs:測定温度での補正量
0.000025:ガラスの体膨張係数
s:測定比重
t0:比重計の標準温度(°C)
t:測定温度(°C)

従って、s + Δs が測定温度における密度となります。

示度の読み方

比重計はほとんどが上縁視定です。一部水平面視定のものもあります。示度の読み方も密度浮ひょうと同じですので、そちらをご覧下さい。

性能
目盛の範囲と目量

A.比重
目盛範囲:0.600〜2.000の間の一定範囲
目量:0.0005、0.001、0.002の何れか

目量 検定公差 使用公差
0.0005 0.001 0.001
0.001 0.001 0.001
0.002 0.002 0.002

B.重ボーメ度
目盛範囲:0〜72重ボーメ度の間の一定範囲
目量:0.1、0.2重ボーメ度の何れか

目量 検定公差 使用公差
0.1 0.1 0.1
0.2 0.2 0.2

C.日本酒度
目盛範囲:−40〜+30日本酒度の間の一定範囲
目量:1日本酒度

目量 検定公差 使用公差
1 1 1

上記は検定対象の目盛ですが対象外になる目盛、目量のものも必要に応じて製作しています。

検定公差と使用公差

密度浮ひょうと同じように規定があります。

校正の方法
比較法と衡量法があり、共に密度浮ひょうと同じです。

比較法
検査液は以下のように計量法で規程があります。

検査する密度目盛 検査液
0.650 〜 0.700 石油エーテル、エチルエーテル、ベンジン
又はこれらの混合液
0.700 〜 0.730 エチルエーテル、ベンジン、又はこれらの混合液
0.730 〜 0.800 酒精とエチルエーテルの混合液
0.800 〜 1.000 水と酒精の混合液
1.000 〜 1.600 硫酸と水の混合液
1.600 〜 2.000
硝酸第二水銀と硝酸の混合液ですが沃化第二水銀の水溶液が使用されています

衡量法
比重浮ひょうの質量と体積から検査します。検査方法は密度浮ひょうと同じです。

表面張力による器差の影響
計量法は比重浮ひょうに働く表面張力が10mN/m変化したとき、検定公差を越える示度の変化をしてはならないと規程しています。次式は表面張力が10mN/m変化したときの変化量です。 密度浮ひょうの密度を比重に置き換えただけです。
Δd = 10(πRd/980M)
Δd:10mN/mの表面張力の変化に対する示度変化に相当する密度(g/cm³)
R:けい部の直径 (cm)
d:目盛線の表す密度浮ひょうの質量(g)
M:密度浮ひょうの質量(g)

保守

密度浮ひょうと同じように使用後洗浄し、汚れを落としてしまいます。目盛の表記が紫外線で褪色することもあります。ケース、紙箱、紙筒などに収納するとよいでしょう。

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